*ブレイクタイム*

息苦しいこの世の中にほんの少しの安らぎを。

個人的好きな映画、第3位!!生きる事の残酷さを描いた名作!(映画:04)

グリーンマイル

The Green Mile

1999年 ワーナーブラザーズエンターテインメント(ユニバーサル)供給 アメリカ映画

監督 フランク・ダラボン

主演 トム・ハンクス

原作 小説/スティーブン・キング 「グリーンマイル

 

個人的に好きな映画の第3位です。

繊細でリアルな描写と役者達の演技力により、人との繋がりの温かさや生きていく事の残忍さが見事に再現された1作となっています。

また、以前記事にした“ビッグフィッシュ”に次いで、死ぬ前に観たい映画の1つでもあります。

ei-miyamoto.hatenablog.com

あの偉大な、スティーブン・スピルバーグ監督も涙なしでは観られなかったという作品を、ご紹介します。

 

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あらすじ

舞台はアメリカの死刑囚監房。

そこは、床が緑色である事から“グリーンマイル”と呼ばれていました。

主人公はグリーンマイルの看守主任、ポール

彼の元に幼い姉妹を殺害した罪で死刑を宣告された大男、ジョン・コーフィが送られて来ます。

しかしジョンは無実の罪で死刑宣告されていました。

それどころか彼には人の痛みが分かり、生き物の病や傷を癒す不思議な力があったのです。

ポールを始めグリーンマイルの看守達は、ジョンや他の囚人達との交流を通して、善悪や生と死とは何か、愛とは何かなどを考え、人との繋がりを描く作品となっています。

ネタバレは、知らない方が楽しめます。

 

グリーンマイル4つの魅力

 

魅力その1:役者達の演技力

主演のトム・ハンクスは出演している映画にハズレがない程、演技力に優れた名俳優ですが、この作品は役者達の演技力によって、深みの出ている1作になっています。

トム・ハンクス演じるポールに並んで、ベテラン看守であるブルータルを演じるデヴィッド・モース

トムとデヴィッドによって、ベテラン看守ならではのプロ意識の高さや冷静な判断力、包容力や決断力、責任感の強さなどといった理想の上司像が描かれています。

また、若き看守、ディーン役のバリー・ペッパーは、若さ故に感情が隠し切れない様子や無邪気な表情をする一面があり、ベテラン達との違いが見どころです。

私はラストシーンでのバリーの演技力に涙しました。

この作品の悪役ポジション、パーシーを演じるダグ・ハッチソンも徹底的な救いようのない性悪っぷりを見事に演じています。

そして、なんと言ってもジョンを演じるマイケル・クラーク・ダンカン!

彼の場面ごとに合わせた分かりやすい表情は、見ている側に訴えかけるものがあります。

それぞれの役者が出演している他の映画と比べてみる事で、彼らの演技力の凄さが実感できます。

参考までに簡単に紹介しておきます。

トム・ハンクスバリー・ペッパープライベート・ライアン

ダグ・ハッチソン 「アイ・アム・サム

マイケル・クラーク・ダンカンアルマゲドン

実力派揃いの魅力満載な1作がグリーンマイルなのです。

 

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魅力その2:無駄が一切ない描写の数々

グリーンマイル3時間越えの作品です。

私は集中力が乏しく、2時間映画でも、1時間ごとに区切って観るのですが、グリーンマイルは3時間ぶっ通しで観る事が出来ました。

1つ1つのシーンがとても大切なシーンであり、無駄な描写が1つもないのです。

ダラダラとくどい展開で、無駄に時間の掛かるつまらない映画はよくありますが、3時間の内に必要な事しか詰まっていません。

作中、何度も電気椅子による公開処刑のシーンがあり、処刑リハーサルのシーンも合わせると、5回ほど同じ処刑の手順を見る事になるのですが、それでも1つ1つが大切な意味のあるシーンとなっており、飽きる事が決してありません。

また、単調なシーンが続きますが感情が揺さぶられ、陰湿な感じがない事にも不思議な魅力があります。

 

魅力その3:ネタバレなしで観てほしいラストシーン

ジョン・コーフィの登場するラストシーンは、衝撃的なラストではありませんが、役者達の演技力が光る感動のシーンとなっています。

言葉や行動、表情の1つ1つに重みがあり、緊張感が見ている側にも伝わり、涙なしでは見る事が出来ないラストになっています。

 

魅力その4:世の中の残忍さと人との繋がりの温かさ

この作品では、身勝手な理由により繰り返される悲しい出来事が沢山あり、それを引き起こす醜い人間が多く存在する世界で生きていく、その苦しみや絶望が描かれています。

映画の中だけではなく、私達の生きる現実社会でも同じ事が言えます

また、優しい人が傷付き苦しむ、報われない事実も描かれます。

そんな世の中の実情を見事に表したのが、このグリーンマイルという作品です。

しかし、それとは対照的に看守達の仲間や罪を悔やむ囚人達への優しさが表れている一面もあります。

死を目前にした囚人への優しい嘘仲間の事情を考慮した意見など、悲観にくれるばかりではないという事もちゃんと描かれています。

また、悪い事をした人間にはそれなりの罰が下される描写もあり、主任のポールが悪い事をしたパーシーに対して「しっかり見ておけ!」と引き起こした現実から目を背けさせないシーンや散々悪事を働いてきたパーシーの最後など、制裁が加えられる展開もあります。

ファンタジーの要素もある作品なのですが、世の中のリアルをしっかりと描いている、共感度の高い所も魅力の1つです。

 

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最後に

後日記事にする予定の好きな映画1位と2位は、個人的な好みも含まれる映画なのですが、グリーンマイルは真っ直ぐに生きている人であれば、誰が観ても素晴らしいと感じる映画だと思います。

生きていると理不尽に傷付けられることの1つや2つあるとは思いますが、そんな傷付いた心に寄り添ってくれる1作です。